M・Tを上回るT・Mの悲惨な境遇と、T・Mの思いも寄らぬひと言

「へー。なかなかいい部屋だね。T・Mはいつからここで生活してるの?」
「あ、えーと……もうすぐ四年経ちます」
 しどろもどろになりながらも、T・Mは懸命に語を継いだ。
「オレは、中二の時に、ここ(道場)へ来たので」
「四年も?凄いね」
「はい。俺が中学の時に父親が亡くなって、まもなく母親も亡くなりました」
 道場で生活している若者たちは、T・Mのようなケースや両親の離婚など家庭の問題を抱えている場合がほとんどだが、T・Mの今現在の年齢を加味すれば、M・Tよりも極めて深刻な境遇に置かれているような気がした。
「大変だったんだね」
 私はそれ以上余計な詮索はしないことにした。
 思春期真っ只中の我が子を残し、早々と現世をあとにする親。息子にしてみれば頗る迷惑な話だ。
 何だかやるせない気持ちになり、私はため息のひとつも吐かずにはいられなかった。
「それから、M・T君とはあんまり仲良くしない方がいいですよ」
 突如、T・Mは妙なひと言を口にした。